こんにちは。Ocean’s Consulting Firmの公認会計士表順一です。いよいよ事業再構築補助金の第10回公募要領が公開されました。公募期間は令和5年3月30日(木)~令和5年6月30日(金)18:00までとなっています。この記事では、第10回公募の内容と第10回公募からの主な変更点をお伝えします。
目次
- 1.主な公募の変更点
- 1.1.売上減少要件が撤廃
- 1.2.グリーン成長枠の拡充(「エントリー枠」の新設)
- 1.3.「物価高騰対策・回復再生応援枠」の創設
- 1.4.「産業構造転換枠」の創設
- 1.5.事前着手承認制度の対象枠が制限されました
- 2.第10回公募スケジュール
- 3.まとめ
主な公募の変更点
3月30日(木)事業再構築補助金の第10回公募要領が公開されました。第10回公募では、売上減少要件の撤廃(「成長枠」(旧通常枠))、グリーン成長枠の拡充(「エントリー枠」の新設)、「産業構造転換枠」の創設、「物価高騰対策・回復再生応援枠」の創設、事前着手承認制度の対象枠制限などの変更が行われています。
1.売上減少要件が撤廃
旧「通常枠」が廃止され、かわりに「成長枠」が創設されました。
「成長枠」は「成長枠対象リスト」(2023年3月現在109業種)に該当する、または要件に該当する事業に新たに進出することが必要となります。
この「成長枠」では売上減少要件が撤廃されました。
いままで売上が好調で、売上減少要件を満たしていなかった事業者も対象となる可能性があります。
2.グリーン成長枠の拡充(「エントリー枠」の新設)
「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に定められた14分野における取組が対象となる、「グリーン成長枠」に要件を緩和した「グリーン成長枠(エントリー枠)」が新設されました。
※従来の「グリーン成長枠」は「グリーン成長枠(スタンダート)」と改称
グリーン成長枠の要件
エントリー | スタンダード | |
付加価値の増加(年率平均) | 4%以上 | 5%以上 |
研究開発・技術開発年数 | 1年以上 | 2年以上 |
人材育成対象となる従業員の割合 | 5%以上 | 10年以上 |
脱炭素に取り組む事業者は申請を検討してみてはいかがでしょうか。
3.「物価高騰対策・回復再生応援枠」の創設
旧来の「回復・再生応援枠」と「緊急対策枠」が統合され創設されました。
以下が対象要件となります。
- 付加価値額の増加が年率平均3%以上
- 売上減少要件(10%以上の減少)
- または、中小企業活性化協議会の支援を受けていること
補助金額は最大3,000万円まで、補助率は中小企業者等2/3となっています。
なお「物価高騰対策・回復再生応援枠」と「最低賃金枠」の交付決定をうけた事業者は、産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)が申請可能です。最大5人まで、1人あたり280万円が支給されます。
4.「産業構造転換枠」の創設
国内市場の縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の中小企業等が取り組む事業者を支援する「産業構造転換枠」が創設されました。
現在、「出版業」「粘土かわら製造業」の2業種が指定されています。これ以外の業種・業態であっても認められる場合は対象となります。
廃業を伴う場合は廃業費として最大2,000万円が上乗せされます。
5.事前着手承認制度の対象枠が制限されました
補助金の支給対象は、原則、交付決定後の購入(契約も含む)とされています。
しかし、事業再構築補助金では、事前の承認を条件として補助金交付決定前の購入を対象とする「事前着手承認制度」が設けられていました。 しかし、第10回公募からは「事前着手承認制度」が適用できるのは、「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」「サプライチェーン強靭化枠」の3つとされました。
第10回公募スケジュールは
第9回公募の採択結果の発表は、従来と同様のスケジュールで行われると仮定すると6月下旬と予想されます。第9回公募で不採択の場合に第10回公募で再チャレンジを考えている方は、そろそろ事業計画書の弱点の見直しに取り掛かっておくのが望ましいと考えられます。
まとめ
事業再構築補助金の第10回公募の主な公募枠は以下のとおりです。
公募要領は予告なく改訂される場合があるので、申請にあたっては必ず事業再構築補助金事務局ホームページにて、最新の情報をご確認ください。
また、Ocean’s Consulting Firmで無料相談も行っているので、ぜひお問い合わせください。